2017年1月24日火曜日

経済は駅前駐車場の料金でわかる。

私が住む街の駅前には、市営の駐車場があります。
4階建ての立派な駐車場は
1階は自転車やバイクの駐輪場。
2階から屋上までは駐車場になっています。
管理人さんも常駐しています

名古屋市まで通勤や通学、買い物に行く人も多くいますが、
自宅から駅までの交通手段が少ないため、
車を駐車場に止めて、電車を利用しています。

そのため、常に駐車場は混み合っています。
この付近、他に駐車場はなく、
30分80円という駐車料金に、なんの疑問もなく、
利用していました。

名古屋まで行って帰ってくるだけでも3時間ぐらいかかるので、
駐車料金だけで500円以上になりますが、
やむを得ない出費だと考えていました。

ここに、思わぬライバルが出現しました。

市営駐車場の前の空き地で、駐車場を始める業者が現れました。
この駐車場は、舗装もされていません。
台数も20台程しか駐められません。
管理人さんもいません。

あるのは、
「1日300円」と書かれた看板と
券を発行する自動販売機だけ。
自動販売機にお金を入れると、シールが付いた券が発行され、
それを窓ガラスに貼っておくというシステム。

コストを最小にしたことで、駐車料金が安くなり、
すぐに人気となりました。

一目で駐車場が空いているかわかるので、
先にここを確認して、空いていなければ、
市営駐車場に行くという、パターンが定番化してきました。

人気に応じて、この駐車場の料金はどんどん上昇します。
料金改定は”看板の数字と、自動販売機の設定を変えるだけ”というお手軽さ、
(実際はもっと大変かもしれませんが)
料金は最高800円ぐらいまで上昇しました。

おそらく、ここで、料金と利用台数の変化を見て、
利益が最大になる金額を調べたのではないかと思います。
現在は500円ぐらいで落ち着いています。
ただし、今後の需要やイベントなどによって、
変わるかもしれません。

あれだけ、料金変更を頻繁にする、駐車場は見たことがありません。

さて、割を食ったのは市営駐車場。
空き地駐車場のキャパシティ(容量)が決まっているので、
それ以上の需要があれば、市営駐車場に来ます。
多少高くても、利用者は確実にいるはずです。
それを待っていればいいものを、
空き地駐車場に対抗し始めました。

料金を
30分50円に
1時間までは無料にしました。
短時間の駐車需要に応えようとしました。
しかし、商店街に用事がある人も少ないのと、
立体駐車場は、短時間の利用は面倒なので、
どれだけ、短時間需要が多いと思えません。

また、1日の駐車場代の上限を1000円としました。
設備、管理人さんの人件費などを考えると
限界に近いと思います。

以前と稼働率が同じであれば、
収益は下がったのではないかと想像されます。

80円から50円にするということは、
30%以上の値下げ幅です。

30%以上稼働率が上がって、以前と同じ収益になりますが、
駐車場がある日、突然、30%稼働率が高くなることは多分ありません。
(あっても、混んでいたり、入出庫に時間がかかれば利用者が減ります)

下げた価格を上げるのは至難の業です。

値下げは慎重に行わなければならない
典型的な例です。


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