◆作業効率向上に監視カメラ◆
先日、生コンプラント会社さんから、監視カメラの設置について相談を受けました。
生コンの原料となる砂などを溜めておくサイロの内部をカメラで映し、リアル映像を事務所で見たいとのことです。
事務所からサイロまでの距離は100m以上。6基ある円柱状のサイロは高さ8m。毎回、歩いて見に行くのは、あまりにもたいへんです。
サイロに実際に使用する監視カメラを持っていき、どんな映像が映るかテストをしたところ、鮮明に内部を見ることができました。
監視カメラなら6基のサイロの様子を同時に見ることもできるので、作業効率も上がりそうです。
◆わかっちゃいても、他人のこと◆
今や、公共の場や人が多く集まる場所に監視カメラは欠かせないものになりました。
駅で電車に乗る。商店街を歩く。コンビニで買い物をする。タクシーに乗る。などなど、自分の行動のほとんどは映像で記録されています。
最近では、位置情報の記録も多くなってきました。
スマホや車のドライブレコーダーに内蔵されているGPSを使って、いつ、どこにいたか記録されています。
昔、会社には、ふらっと消えて、いつの間にか戻っている人はたくさんいましたが、今は、そんなことは簡単にできません。
ドライブレコーダーを装着した会社では、交通事故が減るのと同時に、1台あたりの走行距離と運転時間が減る傾向があるそうです。
ドライブレコーダーは車の運転映像と位置情報を記録する装置。
運転している人が何時にどこへ行ったか、映像とデータで記録されます。通信機能を内蔵したものもあり、データは会社に自動的に送信されます。
ドライブレコーダーの装着前、運転する人は、自分の何がわかってしまうだろうかと不安に感じていますが、実際に運用が始まってしまうと、この、ドライブレコーダーにどんな記録を残したらいいのか、考え始めます。
速度の出し過ぎなど危険運転をすると会社から注意されるので、速度に気を付けるようになります。
営業などの外回りも、効率的なルートを考えるようになります。
結果として、交通事故も、ガソリンの使用量も減り、仕事の効率もアップ。残業も減ります。
もちろん、会社は今までに何度も、“安全運転をしよう”とか、“仕事は効率的に”と言ってきました。
それは、多くの社員にとって、どこか“他人のこと”。
言っていることは正しいけど、それは、自分には関係ないと思っています
しかし、車にドライブレコーダーが付いたとき、それは、“自分のこと”になりました。
自分のことになれば、人は変わるものです。
◆クールビズにあって、プレミアムフライデーにないもの◆
毎月末の金曜日は早く帰ろうという、プレミアムフライデーが先週初めてありました。
私はその日、東京で打ち合わせをしていましたが、早く帰る人は誰もいませんでした。
政府主導のキャンペーンが今ひとつ盛り上がらないのは、多くの人が他人のことのように思うからでしょう。
一方、クールビズが全国的に広まったのは、「ネクタイを外す」という、自分にもできることがあったからです。 相手もネクタイをしていないのなら、自分もガマンしてネクタイをしなくてもいいと考える人が行動しました。今や、夏場にネクタイをしている人の方が希少です
◆人は変わらないからこそ、変わる方法を考える◆
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かず」
これは、昔の人の名言です。(誰の言葉かは調べて下さい)
いつの時代も人を動かす方法に違いはありません。
社員に何度言い聞かせても、言うことを聞いてくれないとお悩みであれば、方法を変えた方がいいかもしれません。
機械を使う方法も検討すべきです。
2017年2月28日火曜日
2017年2月21日火曜日
営業マンなしでも、営業する方法
「営業を強化するために、営業マンを増やしたい」「我が社の弱点は営業力だ。営業力の強化が重点課題だ」と言う話はよく聞きます。
「御社には、営業マンは何人いますか?」と聞かれることもあります。
”営業”という言葉はとっても便利で、
「どんな仕事をやっているの?」「営業です」とか、
「どんな仕事をやっているの?」「営業です」とか、
「営業の人をお願いします」「私、営業担当の山口です」と説明すると、何となくわかったような気になります。
私も、過去に”営業”をやっていたことがあるので、なにをやったかは覚えています。
でも、「具体的には何をやっていたのですか?」と聞かれると、「うーーん、顧客対応ですかね」と答えるぐらいしかありません。
本来、会社が期待する営業の仕事とは”セールス”。
売上を上げることだけが仕事ですが、セールスに時間や労力をかけている”営業”の人は多くありません。
売上を上げることだけが仕事ですが、セールスに時間や労力をかけている”営業”の人は多くありません。
逆に、「営業がいないと、売上が上がらないのか?」という訳でもありません。
飲食店に営業マンはいませんし、お店にもいません。
病院や弁護士事務所に営業マンがいるというのも聞いたことがありません。
営業マンがいなくても、受注ができている会社はいくらでもあります。
先日、こんなことがありました。
当社が代理店を行っている商品について、問い合わせがありました。
「導入を検討しています。デモ機があれば、実際に使って評価テストを行いたい」とのことでしたので、デモ機を送り、一ヶ月ほどテストを行ったあと
「導入予定台数を連絡するので、契約方法を教えてほしい」と連絡がありました。
当社の営業マン(主に私)が、一度も訪問することなく、電話とメールでやりとりをして、FAXで見積を送っただけで、契約することができました。
契約に営業マンは必要がない事例です。
別の例です。
同じ商品について、別の会社から問い合わせがありました。
同じ商品について、別の会社から問い合わせがありました。
「この商品について、関心があります。詳しい説明が聞きたいので、営業の方来ていただきたい」と連絡がありました。
この時も私が担当しました。
電話でアポイントを取り、訪問して、商品説明を始めたところ、社長が出てきて
「こんな高い商品、うちでは使えないね」と言い始めました。
”あなたが来てくれって言ったじゃないか”と言いたかったのですが、場所は相手の会社の事務所。
怒っても仕方がないので、さっさと片付けて、引き上げることに。
遠い場所で交通費だけでも1万円以上、移動時間は往復で4時間以上かけましたが、商談は成立しませんでした。
アポイントを取る時に、相手の話を聞き出さなかった私のミスですが、
営業マンが訪問しても、しなくても結果には関係がないという好例です。
営業は「外に行って、売ってくるのが仕事。だから、用がなくても外に行け」と昔、上司からは言われました。
とはいえ、そんなに行くところもなく、喫茶店をぶらぶらしていたこともあります。
これでは、なんのために営業を雇っているのかわかりません。
以前は私の会社も営業を雇っていましたが、退職を機に営業を雇うことをしなくなりました。
それでも、受注は順調に増えています。
もちろん、私が忙しく営業活動をしているわけではありません。
変えたのは、バックオフィスの女性に、問い合わせや依頼が来たら、見積書を自分で作って提出していい、と言う権限を与えたことです。
これによって、通常業務での問い合わせについては、ほとんどが受注できるようになりました。
私が担当するのは、イレギュラーな案件だけです。
それも月に1、2回程度
ほとんどの業務は、バックオフィスで対応できることがわかりました。
バックオフィスは1ヶ月目の派遣社員でも大丈夫なように、書類の整備を行っています。
これで、90%の業務ができるようになります。
営業マンがいらない分野がこれからは増えていきます。
2017年2月7日火曜日
リベートとはなんでしょう?
”リベート”と聞いたら、何を連想するでしょう?
”ワイロ”とか”裏金”とか、
「ちょっと、表には出せないお金」を想像するのではないでしょうか。
多くの人になじみのないリベートですが、
法人取引(BtoB)では、かなり普通に行われている取引の一つ。
もちろん、”違法”でもなければ、”脱税”でもありません。
例えば、私が働いていた会社では、
仕入れ先から、定期的にリベートが支払われていました。
仕入れ先から?
普通は仕入れ先に支払うのでは?
この場合、代理店の立場で説明すると、
電機メーカから、代金の一部を”リベート”という形で、
戻されていました。
商品とお金の流れを図にすると、こんな感じです。
代理店の立場で説明すると、
1,000円でメーカから仕入れて、。1,200円で最終ユーザに販売します。
この場合、代理店の利益は200円です(1,200ー1,000=200)
これに加え、メーカから代金の一部がリベートとして支払われます。
私が働いていたときは仕入金額の7%がリベートとして戻されていました。
1,000×7%=70円がリベートです。
これで、代理店の利益は200円+70円=270円となります。
これ以外にも、いろいろなリベートがありました。
1年間(もしくは半年間)の目標仕入れ額を設定し、
達成すれば、達成リベートが支払われました。
これは、全体の仕入れ額の数%。
数億円の仕入れ額の数%なので、数100万円です。
全体の仕入れ額以外に、機種別リベートというのもありました。
扱う商品がいくつかあり、その中で目標額に達すると、
数%リベートが出ました。
例えば
テレビは目標金額に達成したので、仕入れ額の2%がリベート
洗濯機は、目標に達しなかったので、リベートはなし
こんな感じです。
目標額は、前年度の会議で、メーカと代理店間で決められました。
通常は前年度の実績+数%で決められました。
リベートは目標金額にコミットメントするための”えさ”とも言えます。
技術リベートというものもありました。
商品知識について筆記試験を、代理店の営業マン向けに行います。
当時、試験科目は6科目。
A級とB級があって、B級に合格すると、次はA級という流れです。
全員が受験する必要はありませんが、
A級合格者の数によって、リベート率が変わっていたと思います。
代理店の営業マンたるもの、商品知識は身につけておけ、
と言う意味のリベートです。
他にも、戦略的に伸ばしたい商品には個別のリベート
競合他社の情報など、営業情報報告書の枚数とクオリティでのリベートなど、
いろいろなリベート制度がありました。
正確な数字は知りませんが、
おおよそ、仕入れ額の20%程度はリベートとして
メーカから戻ってきました。
事例では、200円の利益(利益率20%)で販売していますが、
実際、こんな高い利益率で販売することはほとんどなく、
粗利5%以下、もしくは仕入と販売が同じ金額(つーつーと呼んでいました)
で販売することも珍しくありませんでした。
それでも、リベートで粗利が出るので、
他社との競合など、金額勝負の時はこんなことをやっていました。
私が販売していたのは産業用電気製品。
一般的にはあまり知られていませんが、工場やビルなどではたくさん使われています。
市場規模も大きく、関連産業に携わる人も多いです。
大手電機メーカが同じような製品を作り、販売しています。
そうすると、メーカ間でのシェア争いが厳しくなります。
シェアを増やすにはどうするのがいいのか?
手っ取り早いのは、売り子を増やすこと。
シェアを増やすためには、売り子の数を増やして、人海戦術が一番オーソドックスな方法です。
とはいえ、大手電機メーカは人件費も高いし、
優秀な人材を売り子にまわすのも、もったいない。
と考えたのかはわかりませんが、
代理店に、リベートという手数料を払って、
売り子の数を増やしました。
その戦略が当たって、このメーカは産業用電気製品の分野では
ダントツのシェアトップです。
メーカとして、業績好調です。
リベートは、自動車の販売やビールなど、
シェア争いが厳しいところでは販売店との契約条件に入っています。
車業界はリベートがあるので、
実需以上に仕入を増やし、新古車として販売されています。
ANAやJALなどは、飛行機を買っているボーイングから
リベートを得ているようです。
(決算発表にも載っています)
リベートは商取引の一つとして一般的なものです。
ちなみに、私はこのリベート制度が嫌いでした。
リベートが利益の大半を占める以上、メーカの意向に反することはできません。
上司以下全員、メーカ側を向いて仕事をすることになります。
仕事も自分の意思と言うより、メーカの使いっ走りの仕事が大半を占めます。
仕事を辞めた大きな理由でした。
登録:
投稿 (Atom)