2017年3月6日月曜日

売上を倍々ゲームで伸ばす会社

 営業マンだったころの話。

 期の初めに、営業マンは、それぞれ”目標”を立てろ、と言われました。
 目標とはずばり”売上金額”
 文章で書くと、今期の目標は”目標を必達することです”(笑)となります。

 目標は概ね、先期の実績の5〜10%増し。
 毎回、”売れた金額が実績”だった私の場合、来期も同じ売り上げ実績を上げられるか、まったく見通しはありませんでしたが、「ま、こんなものかな」ってな感じで作って、提出していました。

 これを、課長がまとめ、
 それを、部長がまとめ
 さらに、支店長がまとめ
 全国で集まってきたものを社長がまとめ、
 株主総会で提案する
 みたいな感じだったと思います。

 それぞれの立場でコミットメントする人がいると言うこと。

 ただし、途中の”まとめ”は、かなり”期待値”も含まれているようで、
 5%増しが、10%、15%とどんどん増えていました。

 日本の経済成長率が0.5%前後(2016年)なのに、突出して15%も売上が増えるほど、取引先が変わったり、顧客が増えたりするほど革新的な会社ではないので、当然、そんな目標に達することはできません。
 ということで、期の終わりが近づき、先が見えてくると、課長や部長があちこちに走り回っていたのを思い出します。

 新聞やメディアなどで、”急成長企業”というのを見ます。
 新しい分野の挑戦や、新しい方法などで、毎年”売上を倍々ゲーム”で増やしている、と言う記事を見ると、「おー、世の中にはすごい人がいるものだ」
 と感心します。(と同時に、それができない自分に嫌悪を持ちます)

 ソフトバンクやユニクロ、ニトリなどはその代表でしょう。
 
 一方、世の中には”売上を買う”会社も珍しくありません。
 広告の費用を増やせば売上が上がる事業であれば、
 お金を借りてきて、たくさん広告を打ち、
 売上を上げている会社も少なくありません。
 
 お金がつきるのが先か(借り入れできなくなるまで)、
 事業が軌道に乗るのが先か
 競争ですが、残念ながら、うまくいかないところも多くあるのは事実です。

 先日、カメラのキタムラが店舗を大量閉店するというニュースを見ました。
 町のカメラ屋さんに変わって、大量出店していましたが、
 あっという間に、ネガフィルム市場は消滅。今やデジカメ市場も風前の灯火。
 売るものがなくなりつつあります。

 大量出店で売上も増えたと思いますが、
 その時の利益は大量閉店のために、取っておく必要があったかもしれません。

 禍福はあざなえる縄のごとし
 
 
 
 
 

2017年2月28日火曜日

人が変わる方法の考え方

◆作業効率向上に監視カメラ◆
 先日、生コンプラント会社さんから、監視カメラの設置について相談を受けました。
 生コンの原料となる砂などを溜めておくサイロの内部をカメラで映し、リアル映像を事務所で見たいとのことです。
 事務所からサイロまでの距離は100m以上。6基ある円柱状のサイロは高さ8m。毎回、歩いて見に行くのは、あまりにもたいへんです。
 サイロに実際に使用する監視カメラを持っていき、どんな映像が映るかテストをしたところ、鮮明に内部を見ることができました。
 監視カメラなら6基のサイロの様子を同時に見ることもできるので、作業効率も上がりそうです。
◆わかっちゃいても、他人のこと◆
 今や、公共の場や人が多く集まる場所に監視カメラは欠かせないものになりました。
 駅で電車に乗る。商店街を歩く。コンビニで買い物をする。タクシーに乗る。などなど、自分の行動のほとんどは映像で記録されています。
 最近では、位置情報の記録も多くなってきました。
 スマホや車のドライブレコーダーに内蔵されているGPSを使って、いつ、どこにいたか記録されています。
 昔、会社には、ふらっと消えて、いつの間にか戻っている人はたくさんいましたが、今は、そんなことは簡単にできません。
 ドライブレコーダーを装着した会社では、交通事故が減るのと同時に、1台あたりの走行距離と運転時間が減る傾向があるそうです。
 ドライブレコーダーは車の運転映像と位置情報を記録する装置。
 運転している人が何時にどこへ行ったか、映像とデータで記録されます。通信機能を内蔵したものもあり、データは会社に自動的に送信されます。
 ドライブレコーダーの装着前、運転する人は、自分の何がわかってしまうだろうかと不安に感じていますが、実際に運用が始まってしまうと、この、ドライブレコーダーにどんな記録を残したらいいのか、考え始めます。
 速度の出し過ぎなど危険運転をすると会社から注意されるので、速度に気を付けるようになります。
 営業などの外回りも、効率的なルートを考えるようになります。
 結果として、交通事故も、ガソリンの使用量も減り、仕事の効率もアップ。残業も減ります。
 もちろん、会社は今までに何度も、“安全運転をしよう”とか、“仕事は効率的に”と言ってきました。
 それは、多くの社員にとって、どこか“他人のこと”。
 言っていることは正しいけど、それは、自分には関係ないと思っています
 しかし、車にドライブレコーダーが付いたとき、それは、“自分のこと”になりました。
 自分のことになれば、人は変わるものです。
◆クールビズにあって、プレミアムフライデーにないもの◆
 毎月末の金曜日は早く帰ろうという、プレミアムフライデーが先週初めてありました。
 私はその日、東京で打ち合わせをしていましたが、早く帰る人は誰もいませんでした。
 政府主導のキャンペーンが今ひとつ盛り上がらないのは、多くの人が他人のことのように思うからでしょう。
 一方、クールビズが全国的に広まったのは、「ネクタイを外す」という、自分にもできることがあったからです。 相手もネクタイをしていないのなら、自分もガマンしてネクタイをしなくてもいいと考える人が行動しました。今や、夏場にネクタイをしている人の方が希少です
◆人は変わらないからこそ、変わる方法を考える◆
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かず」
 これは、昔の人の名言です。(誰の言葉かは調べて下さい)
 いつの時代も人を動かす方法に違いはありません。
 社員に何度言い聞かせても、言うことを聞いてくれないとお悩みであれば、方法を変えた方がいいかもしれません。
 機械を使う方法も検討すべきです。

2017年2月21日火曜日

営業マンなしでも、営業する方法

 「営業を強化するために、営業マンを増やしたい」「我が社の弱点は営業力だ。営業力の強化が重点課題だ」と言う話はよく聞きます。
 「御社には、営業マンは何人いますか?」と聞かれることもあります。
 ”営業”という言葉はとっても便利で、
「どんな仕事をやっているの?」「営業です」とか、
「営業の人をお願いします」「私、営業担当の山口です」と説明すると、何となくわかったような気になります。

 私も、過去に”営業”をやっていたことがあるので、なにをやったかは覚えています。
 でも、「具体的には何をやっていたのですか?」と聞かれると、「うーーん、顧客対応ですかね」と答えるぐらいしかありません。
 
 本来、会社が期待する営業の仕事とは”セールス”。
 売上を上げることだけが仕事ですが、セールスに時間や労力をかけている”営業”の人は多くありません。

 逆に、「営業がいないと、売上が上がらないのか?」という訳でもありません。
 飲食店に営業マンはいませんし、お店にもいません。
 病院や弁護士事務所に営業マンがいるというのも聞いたことがありません。
 営業マンがいなくても、受注ができている会社はいくらでもあります。

 先日、こんなことがありました。
 当社が代理店を行っている商品について、問い合わせがありました。
 「導入を検討しています。デモ機があれば、実際に使って評価テストを行いたい」とのことでしたので、デモ機を送り、一ヶ月ほどテストを行ったあと
 「導入予定台数を連絡するので、契約方法を教えてほしい」と連絡がありました。
 当社の営業マン(主に私)が、一度も訪問することなく、電話とメールでやりとりをして、FAXで見積を送っただけで、契約することができました。
 契約に営業マンは必要がない事例です。

 別の例です。
 同じ商品について、別の会社から問い合わせがありました。
 「この商品について、関心があります。詳しい説明が聞きたいので、営業の方来ていただきたい」と連絡がありました。
 この時も私が担当しました。
 電話でアポイントを取り、訪問して、商品説明を始めたところ、社長が出てきて
 「こんな高い商品、うちでは使えないね」と言い始めました。
 ”あなたが来てくれって言ったじゃないか”と言いたかったのですが、場所は相手の会社の事務所。
 怒っても仕方がないので、さっさと片付けて、引き上げることに。
 遠い場所で交通費だけでも1万円以上、移動時間は往復で4時間以上かけましたが、商談は成立しませんでした。
 アポイントを取る時に、相手の話を聞き出さなかった私のミスですが、
 営業マンが訪問しても、しなくても結果には関係がないという好例です。

 営業は「外に行って、売ってくるのが仕事。だから、用がなくても外に行け」と昔、上司からは言われました。
 とはいえ、そんなに行くところもなく、喫茶店をぶらぶらしていたこともあります。
 
 これでは、なんのために営業を雇っているのかわかりません。

 以前は私の会社も営業を雇っていましたが、退職を機に営業を雇うことをしなくなりました。
 それでも、受注は順調に増えています。
 もちろん、私が忙しく営業活動をしているわけではありません。

 変えたのは、バックオフィスの女性に、問い合わせや依頼が来たら、見積書を自分で作って提出していい、と言う権限を与えたことです。

 これによって、通常業務での問い合わせについては、ほとんどが受注できるようになりました。
 私が担当するのは、イレギュラーな案件だけです。
 それも月に1、2回程度
  
 ほとんどの業務は、バックオフィスで対応できることがわかりました。
 バックオフィスは1ヶ月目の派遣社員でも大丈夫なように、書類の整備を行っています。

 これで、90%の業務ができるようになります。

 営業マンがいらない分野がこれからは増えていきます。

2017年2月7日火曜日

リベートとはなんでしょう?


”リベート”と聞いたら、何を連想するでしょう?

”ワイロ”とか”裏金”とか、
「ちょっと、表には出せないお金」を想像するのではないでしょうか。

多くの人になじみのないリベートですが、
法人取引(BtoB)では、かなり普通に行われている取引の一つ。
もちろん、”違法”でもなければ、”脱税”でもありません。

例えば、私が働いていた会社では、
仕入れ先から、定期的にリベートが支払われていました。

仕入れ先から?
普通は仕入れ先に支払うのでは?

この場合、代理店の立場で説明すると、
電機メーカから、代金の一部を”リベート”という形で、
戻されていました。

商品とお金の流れを図にすると、こんな感じです。

代理店の立場で説明すると、
1,000円でメーカから仕入れて、。
1,200円で最終ユーザに販売します。

この場合、代理店の利益は200円です(1,200ー1,000=200)

これに加え、メーカから代金の一部がリベートとして支払われます。
私が働いていたときは仕入金額の7%がリベートとして戻されていました。
1,000×7%=70円がリベートです。

これで、代理店の利益は200円+70円=270円となります。

これ以外にも、いろいろなリベートがありました。

1年間(もしくは半年間)の目標仕入れ額を設定し、
達成すれば、達成リベートが支払われました。
これは、全体の仕入れ額の数%。
数億円の仕入れ額の数%なので、数100万円です。

全体の仕入れ額以外に、機種別リベートというのもありました。
扱う商品がいくつかあり、その中で目標額に達すると、
数%リベートが出ました。

例えば
テレビは目標金額に達成したので、仕入れ額の2%がリベート
洗濯機は、目標に達しなかったので、リベートはなし
こんな感じです。

目標額は、前年度の会議で、メーカと代理店間で決められました。
通常は前年度の実績+数%で決められました。

リベートは目標金額にコミットメントするための”えさ”とも言えます。

技術リベートというものもありました。
商品知識について筆記試験を、代理店の営業マン向けに行います。
当時、試験科目は6科目。
A級とB級があって、B級に合格すると、次はA級という流れです。

全員が受験する必要はありませんが、
A級合格者の数によって、リベート率が変わっていたと思います。
代理店の営業マンたるもの、商品知識は身につけておけ、
と言う意味のリベートです。

他にも、戦略的に伸ばしたい商品には個別のリベート
競合他社の情報など、営業情報報告書の枚数とクオリティでのリベートなど、
いろいろなリベート制度がありました。

正確な数字は知りませんが、
おおよそ、仕入れ額の20%程度はリベートとして
メーカから戻ってきました。

事例では、200円の利益(利益率20%)で販売していますが、
実際、こんな高い利益率で販売することはほとんどなく、
粗利5%以下、もしくは仕入と販売が同じ金額(つーつーと呼んでいました)
で販売することも珍しくありませんでした。

それでも、リベートで粗利が出るので、
他社との競合など、金額勝負の時はこんなことをやっていました。

私が販売していたのは産業用電気製品。
一般的にはあまり知られていませんが、工場やビルなどではたくさん使われています。
市場規模も大きく、関連産業に携わる人も多いです。
大手電機メーカが同じような製品を作り、販売しています。

そうすると、メーカ間でのシェア争いが厳しくなります。
シェアを増やすにはどうするのがいいのか?
手っ取り早いのは、売り子を増やすこと。

シェアを増やすためには、売り子の数を増やして、人海戦術が一番オーソドックスな方法です。
とはいえ、大手電機メーカは人件費も高いし、
優秀な人材を売り子にまわすのも、もったいない。
と考えたのかはわかりませんが、
代理店に、リベートという手数料を払って、
売り子の数を増やしました。

その戦略が当たって、このメーカは産業用電気製品の分野では
ダントツのシェアトップです。
メーカとして、業績好調です。

リベートは、自動車の販売やビールなど、
シェア争いが厳しいところでは販売店との契約条件に入っています。

車業界はリベートがあるので、
実需以上に仕入を増やし、新古車として販売されています。

ANAやJALなどは、飛行機を買っているボーイングから
リベートを得ているようです。
(決算発表にも載っています)

リベートは商取引の一つとして一般的なものです。


ちなみに、私はこのリベート制度が嫌いでした。
リベートが利益の大半を占める以上、メーカの意向に反することはできません。
上司以下全員、メーカ側を向いて仕事をすることになります。
仕事も自分の意思と言うより、メーカの使いっ走りの仕事が大半を占めます。

仕事を辞めた大きな理由でした。


2017年1月30日月曜日

”忙しすぎる”を手っ取り早く解決 恵那通信No19

この内容は、私と何かしらのご縁があった方に、毎月FAXで差し上げている通信誌です。
1月31日(火)配信を予定しています

◆年末年始の話題◆

年始のご挨拶が遅くなりました。本年もよろしくお願いします。
年末、ヤマト運輸や佐川急便の荷物が遅れることが話題になっていました。
 ネットのニュースでは「アマゾン多過ぎ」というタイトルで、クリスマスや年末の買い物がアマゾンに集中。配送量が激増し、配達が追いつかないことに利用者の不満が集まっていることを紹介していました。
もう一つのニュース。
大阪のUSJ(ユニバーサル・スタジオ・ジャパン)は今年、入場料を8年連続で値上げすることを決めました。一方、東京ディズニーランドは、昨年までは毎年値上げしてきましたが、今年は見送った。
2011年までは共に6200円だった入場料は、毎年値上げを実施。
現在、東京ディズニーランドは7400円。USJは7600円になっています。
この2つのニュース、なんの関連もなさそうに見えますが、実は大きく関係があります。
それは、価格設定とサービス品質。
需要が増えても値段を上げない宅配業者と、来場者が増やさないために、値段を上げるテーマパーク。
利用者にとってよいサービスは一体どちらなのでしょうか?

◆初競りのマグロは100倍おいしい?◆

 東京築地市場のマグロの初競り価格は毎年恒例のニュースです。
 今年は、青森県大間産の212キロの本マグロに1本7,420万円がつきました。これは、2013年の1億5,540万円に次ぐ2番目の高値でした。1キロあたり35万円です。
 水産庁のHPによると、平成28年クロマグロの1キロあたりの平均価格は3,397円。今年の初競りマグロは平均の100倍以上の価格。
 もちろん、価格が100倍だからといって、100倍以上美味しいわけではありません。
 では、なぜ、こんな金額を出してまで、マグロを買おうとするのでしょう?
 今年、落札した東京の寿司チェーン店は回転寿司のネタ用として仕入れたのではありません。
 “今年の初競り”はテレビや新聞などのメディアに必ず取り上げられる、価値の高いニュースです。ここで落札することは、多くのメディアにお店の名前が掲載されることを意味しています。
 社長がマグロの前でにっこり笑う姿を広告費に換算すれば、1キロ35万円のマグロだって、高いものではなかったかもしれません。
 ちなみに、初競りで高値になったのは一部のみ。100キロ以下のものは前年より2割ほど安い価格しか値が付きませんでした。価値はマグロではなく“初競り”だったようです。

◆安いのは話になりません◆

テーマパークは利用者に値上げを伝えることで、来場者数を減らそうとしています。
反面、値上げを受け入れた人には、来場者が減ったことで、待ち時間が短くなり、今までよりも高い満足度が得られるはずです。
満足度の向上で、売上も利益も増えることを予想しています。
すし屋さんは、あのマグロを“一貫1万円”で提供したら、お店はかなり賑わうことでしょう。(実際にいくらで提供されたか調べていません)
高いから、話題になり、滅多にない経験を楽しむことができます。
運送会社は残念ながら、荷物が増えて、忙しすぎるにもかかわらず、値段を上げることができなかったため、現場が混乱しました。
配送できる容量に上限がある以上、価格を調整して、荷物の量をコントロールする仕組みが必要です。今どきのIT技術を使えば、そんなに難しくないはずなので、ぜひ実現を期待したいです。
あなたの会社にも、“忙しすぎる”はありませんか?
この解決方法に“頑張る”を使うと、すぐに限界が来てしまいます。(今どきの限界はよくないことばかり引き起こします)
最も効果があって、すぐにできる解決方法は“値上げ”。
値上げで、依頼を減らせれば、取引先へのサービスを充実することができます。
「このご時世、値上げなんて絶対無理」と言う方
本当に無理か、山口が一緒に考えます。ご相談下さい。

2017年1月26日木曜日

ダイエットに挑戦したら、新しい働き方を知りました。

人生で2度目のダイエットに挑戦しています。
1度目はそこそこ成功。今もリバウンド無しで、体重を維持しています。
今回は、そこからもう3キロほど減量し、現在の”チョイぽちゃ”から、”細マッチョ”を目指しています。(かなり無理がある設定です)
江戸時代の有名な大名に上杉鷹山(上杉治憲)がいます。
当時財政難だった米沢藩の財政を立て直したことで有名です。
この鷹山の座右の銘は「入るを量りて出ずるを為す」。
入る量を(収入)がどれぐらいあるか正確に計算してから、それに釣り合った支出の計画を立てるべきだ。と言う故事です。
ダイエットも同じ、と言うか真逆。
消費するカロリーを正確に計って、それよりも少ないカロリーにすれば、確実に痩せます。

それが、できないことがダイエットを難しくしています。

最近、消費するカロリーはスマホやスマートウォッチによって、かなり正確に計ることができるようになりました。
しかし、摂取カロリーを計ることは栄養士はともかく、普通の人が簡単にできることではありません。

そこで、スマホのアプリを探してみたところ、ありました。
カロナビ
食べた食事の写真を撮って、アプリで送れば、推定カロリーと食事についてのアドバイスを送ってくれます。
有料サービス(結構高い)ですが、試してみることにしました。
朝昼晩、食事を取ったあと、食べたものを写真に撮って送ると、30分ほどで返事が返ってきます。(下の写真)
写真から推定カロリーを割り出し、また栄養素についても調べます。
回答する人は栄養士の方、



朝昼晩、食事を取るたびに、食べたものを写真に撮って送ると、だいたい30分ほどで返事が返ってきます。
カロリーを計算して、希望をすればコメントを書いて送ってくれます。

返事をする栄養士の方は何人かいます。
この人達は、この会社の社員かと思っていたら、そうでは無いようで、
日本全国、というか世界中にいるようです。

おそらく、社員ではなく、栄養士の資格を持った人が
この運営会社と契約していて、一回の回答でいくらかの報酬を得ているのではないかと思います。

よく、コメントをいただく方は、南の島に暮らしています。
他にも子育て中の方や、地方在住の方もいます。

時間や場所にとらわれない働き方の一つですね。

栄養士さんが、回答する権利を得る方法とか、
一回の回答の報酬はいくらぐらいなのか、
色々と気になります。

私は今のところ、
体重は減っていません。
これからですかね

2017年1月25日水曜日

お手伝いをした時の、苦い思い出

10年程前、ある会社の商品開発のお手伝いをしたことがあります。

その会社は県内では大手の電子機器メーカ。
パソコンの周辺機器の分野で、有名なブランドを持っています。

その周辺機器は大変な人気で、
1ヶ月の利益は1億円を超え、
その利益で向上とは別な場所に、研究部署が入るビルを作り、
優秀な人財を集めていました。

しかし、パソコンの分野はトレンドのサイクルが短く、
今人気がある商品も、すでに”寿命”が見えていました。

そこで、彼らは手持ちの技術を使って
別の商品の開発を進めます。
その一つがドライブレコーダーでした。

当時、ドライブレコーダーは、
数年後、一気に普及が進むと予想が出ていました。
市場規模は何千億円とも言われていました。

縮小傾向にある今の商品から、
拡大する商品分野に向かう

これは、当然の選択です。
彼らはメーカですから、”工場のラインを稼働する”という責任もあります。
たくさんの台数が売れるものを開発しなければなりません。

そこで、当時、ホームページでドライブレコーダーのことを紹介していた、
私に声をかけ、製品化について意見を求められました。

開発は非常に順調でした。

もともと、技術力の高い彼らにとって、
カメラとメモリーカードの組み合わせであるドライブレコーダーは
難易度が低かったと思います。

市場動向もよく見ていました。
他社製品を取り寄せて、商品の特徴やくせを研究していました。
他社の動向を見て、自社の商品のコンセプトを固めていきました。

そして、製品ができあがり、市場にリリースしました。
最初に県内のタクシー組合と納入契約を結ぶことができ、
さい先のよいスタートを切ります。

私も、代理店契約を結び、
取引先に納入を開始しました。
最初はソフトウェアの設定に難がありましたが、
それも、ヴァージョンを上げていくことで徐々によくなっていきました。
取引先からの評価も高く、関連会社にも納入契約を結ぶことができました。

しかし、残念ながら勢いはここまで。
あとは、商談になっても受注にいたることはほとんどなくなりました。
メーカも販売代理店をいくつか作りましたが、
期待していたほど、受注を増やすことができません。

その後、リーマンショックによって、メーカの業績が低迷。
ドライブレコーダーは次期製品の開発予定もありましたが、それも中止となり
その数年後、ドライブレコーダーからは撤退することになりました。

現在は、修理だけを対応している状況です。

ちなみに、現在、ドライブレコーダーの市場は普及期に入っています。
パナソニックやパイオニアなどのメジャーブランドを押さえて、
シェアトップはユピテル。(1月25日版 日経MJを参照)
年々、順調に販売台数を増やしています。

10年前の市場予測はほぼ正確でした。

なのに、この電子機器メーカはどこで間違えたのでしょうか?
価格設定が高かったことや、
自動車業界に精通していなかったことも
理由に挙げられます。

一般の人向けではなく、業者向け専用にしたことも理由かもしれません。
発売時期が早すぎたことも理由の一つです。
海外メーカを含め競合が多いのも理由かもしれません。

私が商談の現場で直面したのは、メーカのブランド名が”無名”だったことでした。
パソコンの周辺機器の分野では、有名で信頼のブランドでしたが、
ドライブレコーダーでは全くの無名。
海外メーカかと聞かれることもありました。

結局、最後まで”無名”は解消されることなく、”無名”のまま、世の中から去ることになりました。

残念ながら、
”ドライブレコーダーと言えば、このメーカ”
というマーケティングに失敗しました。
パソコン周辺機器とドライブレコーダーが結びつかなかったのです。

結びつけられない商品分野を選んだことが
一番の敗因だったかもしれません。
将来市場規模が広がるという、甘い言葉に見せられて、
自社の強みを活かせなかったことが残念です。

このブランドは、現在もパソコンの分野で使用されていますが、
自社商品ではなく、他社にブランドを供給しています。
ブランドを作ることは一朝一夕にはできません。

ブランドが復活して、再び輝くことを願っています。